シャールカ


シャールカとツチラト チェコの伝説に登場する、女戦士の物語。
恋人に裏切られ、世の中の男性への復讐を誓ったシャールカは 女性だけで軍隊を作り、男性軍に戦いを挑みます。

『わが祖国』の題材となっている、 「ヴィシェフラット」、「シャールカ」、「ブラニーク」の物語は、 アロイス・イラーセックの『チェコの古い伝説』に語られています。
細部ではスメタナの添え書きと異なる部分もありますが、 ここで、「シャールカ」のお話を紹介しておきましょう。

女王リブシェが農夫プシェミスルを夫に迎え、彼を王として以来、 女性と男性の間に生じた対立はついに軍事的な衝突に至った。
挙兵した女性軍を鎮圧するため、ツチラトとその精鋭たちが プラハに向かうが、その途中で、 ツチラトは木に縛りつけられた少女シャールカと出会う。
それが策略とも知らず、ツチラトはシャールカを助け、 用意されていた酒を飲んで、男たちは皆、眠り込んでしまった。
そこで、シャールカは首に下げていた合図の角笛を吹き鳴らし、 待機していた女性軍にツチラトたちは討ち取られてしまう。

画家であり、人形アニメーションのクリエイターとしても著名なトルンカは、 イラーセックの物語を映画にしています(『チェコの古代伝説』)。
その際、トルンカは「シャールカ」の挿話を シャールカとツチラト、男性軍と女性軍の和解という、ハッピーエンドにしました。
チェコの作曲家ヤナーチェックもこの物語を題材に、 歌劇『シャールカ』を作曲しています。 こちらの『シャールカ』は、ヴァルキューレを連想させる悲恋の物語です。

このページのシャールカとツチラトの像も、 ミスルベックによるもので、ヴィシェフラットで見ることができます。

また、シャールカの名前はプラハ西部、ルズィニェ空港の近くの 地名になっていて、そこがこの物語の舞台であったと言われています。
蛇足ながら、女性軍の拠点ヂェヴィーンはヴィシェフラットの対岸にあったと言われ、 「娘たちの城」、「ヂェヴィーンの」、「シャールカの」通り、といった地名が残っています。

私も92年の夏に初めてチェコに行った際に、シャールカの地を訪ねてみました。
プラハ6区のヂヴォカー・シャールカ(荒々しいシャールカ)は、 キャンプができるかなり広い森で、夏はジュバーン池(貯水池)で泳ぐことができます。
この池からはシャールカ川という小川が流れ出していて、エヴロプスカー通りの北を並走して、 ヴルタヴァ河に合流します。
シャールカ川に沿って、「シャールカの谷」通りを 「静かなシャールカ」、「上(上流の)シャールカ」、「下(下流の)シャールカ」と、 路線バスで走り抜けてみるのも、時間にゆとりがあったら、いいかも知れません。
ただし、シーズン・オフには用心のため、女性の方は 単独ではヂヴォカー・シャールカに行かないでくださいね。
それから、「シャールカの谷」路線バスの旅は時刻表をしっかり確かめて。 プラハといえども郊外なので、途中下車の時間によっては次のバスまでうんと待つかも。



チェコ語のカナ表記について

チェコ語は日本語では使わない音がたくさんある言葉です。 正確にチェコ語を日本語のカナで表現することはできませんが、 なるべくチェコ語に近い表記を試みてみました。



このサイトの内容の転載はお断りします。
ご意見、ご感想、リンク報告は管理人Vindobonaまで メールにてお寄せください。
チェコ共和国『わが祖国』紀行
Copyright(C)2006-2017 Vindobona. All rights reserved.