ブラニーク


フス派は敗れ、チェコはカトリックの国になりましたが、 チェコ人は祖国の危機には、ブラニークに眠るフス派の英雄たちが 蘇り、国難を救ってくれるという、伝説を伝えました。
この曲でも、フス派の賛美歌のモチーフと、 「ヴィシェフラット」と「ヴルタヴァ」で奏でられたモチーフが、重なって、 チェコの輝く未来を歌い上げます。

ブラニークの伝説も、イラーセックの『チェコの古い伝説』に語られています。
プラハの南東、ターボルの北東に位置する、ブラニークの山の中には 聖ヴァーツラフとその軍隊(騎士と軍馬)が、まどろみ続けている。
月夜には、山の中への入り口にあたる山腹の泉で、馬に水をやり、 草地で演習をする物音が聞こえる。
ある時、草刈をしていた娘が騎士に請われて、山の中に掃除に行くが、 そこはつながれた馬も、卓についた騎士たちも微動だにせぬ、神秘的な静かな広間で、 娘が掃除を終えて、帰宅すると、1年が経っていた・・・
ブラニークのふもとのロウニョヴィツェの鍛冶屋は、 ブラニークの騎馬に蹄鉄をうちに行き、やはり帰宅したのは1年後だった。
聖ヴァーツラフと騎士たちは祖国の危機の時に 真に目覚め、敵を一蹴すると言われている。

スメタナはこの伝説に登場する聖ヴァーツラフとその軍を、 フス派の軍に置き換えて、前曲「ターボル」と関連づけました。

残念ながら、私自身はブラニークには行っていませんが、 ブラニークやロウニョヴィツェの風景写真は、 日本チェコ協会のホームページに掲載されています。
また、プラハの4区、ヴィシェフラットの南にもブラニークという一画がありますが、 ここのブラニーク広場にも、ヤン・フスの像があるようです(これも未確認)。
なお、プラハのヴァーツラフ広場はイラーセックの伝説に現れる救国の英雄、 ボヘミアの守護聖人、聖ヴァーツラフの名前を戴いていて、 イラーセックが書いた救国の軍を率いる時の姿、すなわち 片手に軍旗を持ち、騎乗している聖ヴァーツラフの像(ミスルベック作)が 国民博物館を背に、広場を見下ろしています。



チェコ語のカナ表記について

チェコ語は日本語では使わない音がたくさんある言葉です。 正確にチェコ語を日本語のカナで表現することはできませんが、 なるべくチェコ語に近い表記を試みてみました。



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